清々しい四月の風と新緑の匂い、暖かな陽の光が心地良い。


つい気分も良くなるような春の日



対照的なまでに暗い表情の女性が公園のベンチに座っていた。


歳は20代前半、長く綺麗な髪と、
笑えばこちらも幸せになりそうな、美人の女性。

だが、彼女の瞳は虚ろだ。こんな気持ちの良い陽の光も、彼女は感じていないだろう。


「…あの人かな?」

「だな。」