私が着くと、すでに紫音くんは駅の椅子に腰掛けてた。 「凜!」 いち早く気付いて、笑顔で迎えてくれた紫音くん。 次に目に入ったのは、大きな荷物と、ギターケース。 「本当に行っちゃうんだね。」 紫音くんは、あたたかく笑い、私の頭をポンと叩いた。 「凜。いつも、聴いてくれてありがとな。」 “ありがとう”なんて、 私が言うべき言葉だよ。 私、紫音くんの音楽にいっぱい救われたよ。