「俺、挑戦してみるよ。応援してくれよな、凜!」


紫音くんはとても嬉しそうに言った。

そうだよね、紫音くんは歌が大好きだもんね。
たくさんの人に、聴いて貰いたいよね。


私はゆるく笑いって、努めて明るい声で言った。


「もちろんだよ!頑張って!」


紫音くんは嬉しそうに笑ってくれた。


紫音くんは家がこの近くだから徒歩で帰る。

私は電車だから、ここでバイバイ。


「明後日の昼、出発するんだ!見送り来いよ!!」


歩きながら振り返り、大きく手を振ってくれる紫音くんに、私はピースを返す。


「絶対行く!当たり前じゃん!!」


紫音くんは、ニッと笑い、街の中に見えなくなった。