紫音くんの意図してた答えとは違ってたかもしれないけれど、本当にそうなんだから仕方ない。 やりたいことなんて、特になかった。 今、何がしたい?って聞かれたら“紫音くんの歌を聴いていたい”って答えると思う。 それでも紫音くんはニコリと笑ってくれた。 「そっかぁ! 嬉しいけどさ、凜の夢とかはないの?」 私は曖昧に笑い、「夢は、まだないな。」と小さく答える。 “まだ”と、いつまで言ってられるのだろう?