暗くなって来た。
もうそろそろ帰らなくちゃ。

立ち上がろうとすると、紫音くんが腕をつかんだ。


「来週も来て! 同じ時間に、ここに居るから!」


私を見上げる紫音くんに、笑いかけて、うん、と返した。


立ち去る私に笑顔で手を振る紫音くん。


私の足取りは軽かった。

また、聴ける。
それだけで心がフワフワとしてくる。