「おーい、お前ら」

拍手を切り裂くような大きな声が教室内に響く。

声のする方を見ると、例えて言えば、熊のような男の人が立っていた。

「マジ。くま、また担任じゃーん」

「ラッキー」

そんな声を聞きながら、担任の先生と思われるその男の人は教卓に向かって歩いていく。

「オラ席着けよー」

その言葉で一斉にみんなが自分の席へ動き始める。

「席順黒板に書いてるよ」

隣りを通った女の子が親切に教えてくれた。