桜が舞う、あの坂道で私は出会った。

-名前も知らない、君と。

-

あたし、森橋 若葉。明日から中学2年生になる。

お父さんの仕事の都合で、中2なんてゆう微妙な時期に転校させられる可哀想な子。
と思ってる。

で、その新しい学校に偵察というかなんというか、来たわけなんだけど…

「・・・」

失敗した。確実に。

目の前に広がる景色を見て、思わず声を失った。

「何コレ…」

目の前に広がるのは、どこからどう見ても、坂。

だけど、並大抵の坂じゃない。-大きすぎるし、長すぎる。

「学校って…この上…だよね」