「お父さん…24本って買い過ぎ…」
「ん?そうか…?普通だと思うが」
「……(今の時代…普通なんか…?平均が分からんから何とも言えない…)」

確かに、昔に比べてゲームの値段はお手頃だ…本体はそれなりにするが…
優希は自分が間違っているのかと周りを見回す
目にとまったのは、レジに並んでる人々
3本持っている人もいれば1本の人も…多くても5本くらいだ

「…うん、やっぱり買い過ぎやわ」
「そうか?それより、決まったんだろ?」
「あ~…うん」

優希は、コピーした情報を見せる
それを見た哲夫は、優希の探しているゲームのある場所へと移動をする

(…あのゲーム…落ちへんねや…)

哲夫の持つゲームが崩れないことに対して、驚いているうちに、目的の場所に到着した
哲夫は何事も無いかのように、優希のゲームを棚からヒョイと取って山の上に乗せる
その技を見て、優希は更に驚くしかなかった
哲夫にしては当たり前のことなのだろう…普通にレジに向かっている

「あ!賀川さん、今日はお子さんもご一緒なんですね~」
「はい、娘の優希にゴーグルを買ってやろうと思いまして」
「え…娘さん…見た感じ2・3歳ですよね?ゴーグルはまだ早いんじゃ」
「俺の娘ですよ、ゲーム好きのDNAがしっかり遺伝してるんですよ」
「クスクス、親バカですね~…優希ちゃん、別にお父さんの期待に応えなくても大丈夫だからね♪優希ちゃんにゴーグルなんて、まだ早いんだから~」

店員さん…名札に『谷』と書いてあるので、谷さんだろう…と、談笑しているところを見ると、哲夫はこの店に常連で谷さんもこの店に勤めて長いということが分かった
優希は、2人の会話に曖昧な笑みを返し、ただ聞くだけにしている
もちろん、余計なことを言わないようにするためだ