「よし!行くぞ!」
「ぉー…」

気合十分の哲夫の横に、それほど気合の入ってない優希
とても大きな温度差だ
優希がトーストを食べ終わり、身支度を終えた頃、哲夫がちょうど書置きを書き終えた
美紗子はいまだ夢の中…暁も一緒に夢の中…
2人が夢の中にいる間に、2人は出かけることになった
近くの車乗り場から、車に乗りゲームショップまで行く

「うわぁ~」

ゲームショップの中に入り、優希は驚きの声をあげた

「凄い!ゲームの本体メッチャある!!」

興奮気味に、店内をキョロキョロと見回す
入ってすぐに目につくのは、ゲームの本体を並べてあるショウケース
優希が知っている本体など、1つも無く全てが珍しかった

「優希、言葉言葉!」
「あ…忘れとった…」

優希は、パッと口を手でふさぎ、辺りを見回す
幸いにも、近くに人はおらず…さらに、店内に流れる少し音量の大きい音楽のお蔭で誰にも聞こえていないようだ
「良かった…」と一息ついて、気を引き締める
ココは自宅と違って、お客さんや店員さんなど多くの人がいるのだから

(へぇ~…凄い便利になってんなぁ~…)

ショウケースに並ぶ、本体をジーッと見る
今見ているのは、テレビに繋ぐゲーム機だ
昔と違い、大きい本体
全てが昔より小さくなっているにも関わらず、大きくなっていることに少し違和感を感じたが、その理由は至極簡単な事だった

(プレイするソフト以外も収納出来るんか…)

そう、プレイするソフト以外のソフトもパッケージから出してさえいれば、ソフト収納と書かれている収納場所に収納することが出来る
しかも、プレイするソフトを収納場所から出さなくても、機械の中で入れ替えてくれるらしい
もちろん、収納されていることが前提ではあるが…
購入時についているパッケージや説明書等は、コンパクトなサイズで、きちんと専用の収納場所がある
それでいて、サイズが昔の本体より縦に2・3倍なら、十分コンパクトと言える

(ソフトが小さくなってるし…メモリーカードは…小さくなって、容量増えてるなぁ)

次は携帯ゲームを見ようとしている優希に、待ったの声がかかる