我輩は犬である 名前はトーマ、シベリアンハスキーの二歳である なに、若いくせによく喋る？ 仕方ない、我輩、前世はソロモン王にも仕えた悪魔である 知能は人間より高いし本気を出せば世界征服だって目ではない そんな我輩にも悩みがある 主人のことだ 「双平さんっ見てくださいこの寸胴鍋！ ドイツ製！メイドインジャーマン！ 通熱、耐熱性抜群！ これでカレー作ってみたいです！」 「いくら？」 「じゅうまんえん！」 「買っていいよ」 なんでもいいからはよ結婚しろ

残酷で皮肉で滑稽な事実ながら 無償の愛こそ 人間だと思うのです

※ＢＬではございません 高校二年生の夏 勇気を出して、なんて 月並みな表現は使いたくないけれど 割りと真面目に覚悟を決めて 好きなひとに告白した ひとつ年下の後輩 小柄な背丈を震わせ 上目遣いの大きな瞳を潤ませて 彼女は言った 「まっ、マジすか!? おれっ、こ、こんなちんちくりんで色気も経験もなくてご奉仕もまともにしたことないヘタレなクソゲイ野郎ですけどそれでもよければおおおおなしゃす！」 「…………うん？」 ※Not 腐女子　But ゲイ