あたしは、ロイの部屋を横目で見ながら、廊下を渡って、自室へ入った。


「そうかぁ…。ロイって、実物がいるんだ……」


でも、実物には、確か、奥さんがいるって言っていた。


あ、でも、待って……?
そのあと、ロイはなんか言わなかった?


《しかし、結婚してまもなく…》


そうだ、――そこで、爆弾テロにあって、話が途切れてしまったんだ。


ロイのマスターに、なにがあったんだろう。


あたしは、窓の外を見ながら、突然、そのことをロイに尋ねてみたくなった。