「私、今まで、付き合ったこともまして告白なんて、したこともなくて。
いつも、遠くから見ているだけだったの。
その人にも春が、隣で支えてくれる誰かが、
来てくれたらいいと、そう思ったから」
ただ憧れていた彼の言葉や仕草のひとつひとつに、惹かれていく自分が怖かった。
何かに手を伸ばしてそれを掴んだ瞬間に、今持っている別の何かをこの手から離さなくてはいけなくなるんじゃないかと。
そう思ったら、私はこの気持ちを無かったことにしようと思えたから。
けれど、ただ無くすことはしたくなかったから。
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