「ねっ!先輩、おみくじ引きません?」


お参りを済ませ、茜ちゃんは俺の腕を掴む。


「俺はいいや。ここで運使いたくないし。茜ちゃん、引きたいなら引きなよ」


なんとなくだけど、例えばここで大吉が出たら、この1年の運を使ってしまった気になりそうだから。


受験は勉強した成果もだけど、運もあると思う。


だから、今年はおみくじはやめとこうと思っていた。


だけど、それを茜ちゃんに押し付ける気もない。


茜ちゃんはおみくじを引くのだろうと思っていたら


「私もいいです!帰りましょうか?」


だけど、笑顔でそう言った。