私は顔が赤くなって俯いていると


“じゅうー、きゅうー……”


どこからともなく、カウントダウンする声が聞こえてくる。


そして“いーち”っと聞こえた時


「茜ちゃん」


長谷部先輩に呼ばれ、顔を上げた瞬間


チュッ――…


長谷部先輩は私の唇に軽く触れ


「明けましておめでとう!」


と、笑顔で言った。


えっ?


私は一瞬何が起こったのかわからなくなった。


びっくりして固まったまま長谷部先輩を見ていると


「もう1回してほしい?」


くすくすと笑っている。


「えっ!?いや……」


何が起こったのか、だんだんわかってきた私は我に返り


「先輩っ!ここ外っ!!」


真っ赤な顔をして長谷部先輩を睨む。