「綾(アヤ)、里美(サトミ)ちゃん来たわよ」



「…うん」



私は重たい体を無理矢理起こして、階段を降りた。



玄関まで行くと、いつも通り里美が私を待っていた。



「綾、今起きたの?」



私は静かに頷いた。



そんな私の様子を見て、里美は深いため息をつく。



「全く…今日も遅刻か~」



そう言いながら里美は靴を脱いだ。



「ごめんね…」



そんな里美に私は、謝ることしかできなかった。



里美は、良いよ良いよと言いながら笑顔を私に見せてくれた。