あとはねねに頼まれた苺オレを買って
教室に戻るだけ。

ルンルン気分で自販機に向かう。


「もしもーし。そこの人。
それ、俺の大事なメロンパンナちゃん」


突然 背後からそんな声が聞こえた。

低いかすれた声には
似合わないギャグなこと言ってますけど…


そこの人?メロンパンナちゃん?
…あたし、じゃないよね?


とは思いながらもまさかと思って振り返る。
目の前にはあたしを指指す一人の男子。


どうしよう。
今ばっちり視線が合ったと思うんだけど。


もちろん見たこともない人だし…
となるとなんだか怖い!
ほんとにやばいかもしれない。


とっさに大切に持っていたメロンパンを
後ろに隠した。

その人はあたしの身長に高さを合わせながら
少しかがんで歩み寄ってきた。