その時、長男の祐吾の奇声が響いた。

見ると、悟がテレビのリモコン片手にニヤリ。

祐吾は頭を抱えてうずくまっている。


「ママ、あのね、何があったかと言うとね、」

次男の拓也が説明をしようと私の方へと駆け寄ってきた。

「悟が祐吾の頭を、リモコンでぶったの!!
わかった?」

……分かるよ。
わざわざここまで来なくても…。

次男の拓也は、常に人から注目をされていたい、典型的な次男坊だ。

天然のホンワリ要素を抱え切れないくらいに持っている長男を、そのハングリーな自己アピールで常に隅へと押しやってきた。