そう。
別に私が綾乃や岡野を心配しなくても、彼らはそうしたくて独りでいるのだから構う必要はない。

だが、私は誰を会わせても満足しない綾乃を納得させたくて半分意地になっていた。

そこにフラフラと現れ私の目に止まったのがこの岡野だ。


―――「鳴瀬、このハム、五百、発注上がってるけど在庫にあるかな」

伝票を差し出してキラリと笑う彼を見て私は固まった。

「…鳴瀬…?」

……イケる。
コイツは、綾乃のタイプだ。