急ぎ、出会いの場を設定し、彼女を呼び出した。
喫茶店で、私と私が会社で見つけ出した彼女を驚かせるジョーカー、「岡野くん」と二人、座って綾乃を待つ。
「…いやあ、緊張するなぁ。
俺、紹介って初めてで」
「そんなに固くならないで。
もしうまくいかなくても気にしないでね。
嫌ならはっきり断って」
「うん。
だけど意外だったな」
「何が」
「鳴瀬って他人の事はどうでもいいヤツだと思ってた。
何て言うか、自分さえ良ければ、みたいな。
人の世話したりするなんて」
「あんた…、私を怒らせたいのかい」
「…あ。
いや、そんな訳じゃ」
「ふん。
…まあ、あんたの言う事は違わなくないけど」
「…?」