そんなある時。

彼氏の名古屋転勤が降って沸いた様に決まってしまいました。


「ああ。どうしようかな。
要するに、付いてきてって事は…、結婚して、って事だよね」

「そういう事だろうね」

鳴瀬くんは他人事のように肉をひっくり返しながら言う。(また焼き肉かよ!)

「私さあ、あの人と別れたらもう、結婚なんて出来ないよね、きっと。
だけど知らないところへ行っても…。

友達も家族も、側にいないんだよ?

だけど…、結婚はしたいし…」


「…あのさ、北野は『結婚』がしたいの?
『彼』が惜しいの?
どっち?」