「あ、ところで今日は涼ちゃんは?」 クッキーを食べながら何気無く訊ねる。 土産用クッキーを鼻唄まじりで焼いていた彼女の手がピクッと止まる。 「…は、涼?」 ………う。 何だ。 この空気は。 まさか………私、地雷…? 「あ……いないならいいけどさ」 慌てて言うがもう遅い。 「涼ったら……。聞いてよ…。 彼はね……」 莉緒の顔色が変わっている。 ……ひいっ……。