彼女はその可憐さゆえか、横で見ていてハラハラするほどに
……決断力がない。


何事も白黒キッパリ、カラーは葬式モードの私からすると、その全てが苛つくほどに曖昧なのだ。



「莉緒、あの人が好きなの?」

「うーん、好きっていうか、
優しいんだよね」

イラつきレベル・2…。

「好きなら電話して気持ちを伝えなよ」

「うん…。
でも、嫌がられたら嫌だし……」

…イラつきレベル・6。


「ほら、かけてみな。
向こうも同じ気持ちかも」

「うーん、…ちょっと、無理かな…」


イラつきレベル・10!!

「電話かせ、こら!
私がかけてやる!!!
何番?!」


「きゃ〜!やめてよ!」