「………手近に選んだ訳じゃないよ。

菜々子だから、結婚した。

俺も大切に思ってるよ」


…………。

まあ、いっか。
そろそろ勘弁してやるか。

「あ。
抹茶オレ買いに行くんだった」

「じゃあ俺も。
今日はビールがうまいだろうな。
部屋に戻ったら飲もう」

「何でビールがうまい日なの」

「………ふふ。何でかね」

「やっぱり意味分かんない」

私達は手を繋いで姫路の夜半の街を歩いた。


千姫の愛を見守った、暖かい風に吹かれて。




そうだね、祐吾。
ここは愛の街。

ママと直ちゃんも、千姫様と忠刻様の愛にあやかれた………

……かもね。