「山根くんと食事になんて。
俺の前からも消えたりしない」
言いながら直哉はニコニコ。
「………なっ。
何でそう言い切れる?
分からないよ、私だって直哉以外の人が好きかもしれないだろ」
「あり得ない」
!!!
何よ。
………ムカつく!
「直哉なんか全然好きじゃないかも知れない!
子供がいるだけの理由で直哉と一緒にいるのかもよ!」
「菜々子、落ち着いて」
「落ち着いてられっか!」
私は非常に興奮していた。
今思えば、ホテルの前の歩道で大きな声で……。
道行く姫路市民の方々が不思議そうに私達を見ながら通り過ぎていく。