全く。
この状態でよくそんなに眠れるな。

私は彼を睨みながらそっとベッドから抜け出した。


………眠れない。

そうだ。
近くにコンビニがあったな。

大好きな抹茶オレでも買ってこよう。

私はそのまま財布をつかんで部屋を出た。



「…んー」

ホテルのロビーを抜けて外に出ると、身体を軽く伸ばす。

夜中であるにも関わらず、何だか風が暖かい。

やっぱり北陸の気候とは違うな。

金沢では今の時期にこんな薄着で外には出られない。

………。
何だかよく分からないうちに、こんなところまで来てしまった。

姫路の風に当たりながら改めて実感する。