「二時だけど。
あ、昼飯、作ったから食べて」
飛び起きた私の前に直哉の困り笑い。
二時?!
「起こしてよ!!」
姫路まで車で七〜八時間。
休み休み行けば…夜中?!
私は一気に準備を整えると子供たちを車に詰め込み直哉に
「早く!行くよ!」と助手席から叫んだ。
「俺が運転なの」
ブツブツ言いながら彼は運転席しか空いていない車に乗り込んだ。
「当たり前だろ」
私が言うと、
「しゃあないな。
菜々子の運転は子供が酔うしな」
と言った。
彼の嫌味もなかなか板に付いてきた。
……って、誉めてどうする、私よ。