「直哉?!」
「マジで?
やった、直ちゃん、ありがとう!」
「うん。じっくりと見てくるといい。
祐吾が感じた事をまた教えてくれよ。
俺は、ほら。歴史なんて知らないから」
直哉がニコリと笑って言うと祐吾は満面の笑顔で
「うん。任せて」
と言った。
スキップしながら去って行く祐吾を見ながら私は直哉に言った。
「おい……。
何で行くなんていうのよ。
道も知らないのに」
「あれ〜?知らないの。
うちの車にはナビがあるんだぜ。
あ、そうか。
菜々子はDVDしか見てないからな。
なんだっけ。
あ、そうだ。
ジャニーズ歌合戦?」
「そんなダセェ、タイトルじゃないよ!
くっそぉ。
親子して私をバカにして。
そもそもあんたらが私の手伝いをしないからこんな話になっ………!」