「菜々子、おはよ」

「おはよ」

直哉は軽く挨拶を私と交わしながらも、もう甘える年頃ではない祐吾に背後から抱きついている。

祐吾も振り払うでもなく、ニコニコと何だか嬉しそう。

…そんな然り気無い行動が、絶大な人気を築くのだな。

私は心の片隅にそっとメモをする。

「直ちゃん、僕ね、ジャンプ高いよ」

言いながら次男がビョンビョンと飛び跳ね始める。

「僕も!」

三男も、普段は静かに動かないくせに、息を切らしながらその横で飛び始めた。