「悟!お兄ちゃんにペチンしたら駄目でしょ!!」
言葉を理解しない二才児に一生懸命に説教をする私を、兄三人は無言で見ている。
「痛いのよ!ママがあなたにやってあげようか!?
ああ!?」
どんどんヒートアップしていく私。
その時…、
「ママ、悟、分かんないよ…」
大地がポツリと呟いた。
「………」
「………」
他の二人も相変わらずの無言だ。
「キャハハハ」
悟はリモコンをその辺に投げ捨てて、笑いながら手を叩いて喜ぶ。
ショーじゃねんだよ、悟…。
私は悟の拍手に見送られながら、再びキッチンへと向かった。