「二人とも、蓮波高校」

「はっ…、蓮高なんだ…!」




まさかの返答に驚きすぎて、目が飛び出してしまいそうになる。



蓮波高校…通称、蓮高。


ここらの地元では進学校として名高い高校で、多分地元ナンバーワンの賢い学校。



なんでも有名大学への進学率が高いことでも知られているから、成績が優秀な賢い人は大抵そこに進学する。



あたしが通う中学でも、毎年数人が合格しているらしい。



でもそんなの、ずば抜けた知力を持った人の話なだけで。


真面目に学校生活を過ごしてそこそこの成績しか取れないあたしみたいな人には、到底届かない遠くの話だ。



まさか伸一が……そんな学校に通う賢い人の弟がだなんて、想像もつかなかった。



確かに伸一は、“賢い人”のグループに含まれているとは思うけど……。




「親は俺にも蓮高に行って欲しいみたいだけど、今のままじゃ無理だろうな。
この前の模試ではB判定だったし」


「び、B判定ね…」




……それだけでも、じゅうぶんすごいと思えるんだけど。