「ラブラブになるかは関係なしに、みんな大切な人だよ。だから誘いはいつでも受けるし、優先するかどうかは時と場合によると思うよ」


「ふーん、なるほどね。あっ、じゃあさ、卒業祝いに明日さっそく遊ぼうよ!流歌はもちろん、予定大丈夫でしょう?」


「何であたしは最初から予定が空いてる設定なのよ。……まぁ、空いてますけど。どうせあたしは非リア充ですよーだ」


「ははっ、拗ねないでよ~。流歌が非リア充ならあたしも同じじゃん」




何かが脱線していく二人の会話が面白くて、いじけている流歌には申し訳ないけどこっそり笑った。



明日美と流歌のこういったやりとりも、気付けば当たり前にそばにあったから、何だか離れるのが惜しい。




「はいはい、流歌の話はまた今度ゆっくり聞いてあげるよ。で、佐奈は予定大丈夫?」


「えっと、明日はちょっと無理かな……」


「何か予定入ってるの?まさかすでに、佐藤君とデートの予定があるとか?」




「さっそくあいつに先越されたか」と、チッと舌打ちをして明日美はあたしの背後を睨む。



きっと視線の先にいるであろう、何も事情を知らない伸一が不憫に思えた。



だって明日美の顔、冗談抜きで般若みたいに怖いんだもん……。