ライヴが始まるまであと20分くらい

「ねぇ星羅知ってる?あのねルシファーの曲ってだいたいコウが作詞作曲してるんだけどさぁ全部実体験なんだって」

「実体験とかすごいねぇ」

「だよね。んまぁそこがまたいーところなんだけどさ」

「ほんとに千里好きなんだね」

「違うよ!まぢちょっとコウの声聞いたら大好きになるよ」

「えー、本当?」

「ほんと!ほんと!ぢゃあわかった!
一曲目の出だし確かコウのアカペラなはずだったから目閉じて聞いてみて」

「えー、うーんわかった」



ーーーー…

そしてライヴは始まった


たくさんの女の子がルシファーのライヴが始まった瞬間叫びだした


するとすぐに会場は静かになった。



…………………






「ーーー…♪」



え…………
この声…………
まさか……………………


恐る恐る目を開くとそこには私の今までで1番会いたくて会いたくなかった人がいた


「功…」


「ねー!亜弥聞いたでしょ!コウの声」

「え、あーうん」

「ちょっとどうかした?なんか星羅変だよ」

「ごめん!全然大丈夫」


ほんとは全然大丈夫なんかぢゃない
功の声を聞き間違えるはずがない
あんな透き通った天使のような歌声を


気づくとライヴは終わっていた。


「まぢやばいよねー。ルシファー。」

「千里騒ぎすぎだよ」

「だって〜まぢ一曲目のアカペラのやつやばかったでしょ」

「あーちゃんと聞いてなかったや」


「ちょっと〜ぢゃあちょっとはい」


千里に差し出させたのは紙袋に入ったCD


「なにこれ」

「こんなかにルシファーの今日のライヴでやった曲全部はいってるから」

「で?」

「それで明日まで聞いといて」

「は?」

「いーから!あ、この『たからもの』って曲がアカペラのやつだから」

「はぁ」

「ちゃんと歌詞にも注目してよ!ぢゃあね」

そう言って千里はいってしまった

功の歌…聞きたいけど聞くのが怖い
なんだか思い出しちゃいそうで




家に帰ったあと私は寝る準備をしてゴロゴロしていた


ひま…ひますぎる…
どーしよー!

するとCDと私はめを合わせてしまった。



ーーー…

ちょっと聞いてみようかな


そして私はデッキに『たからもの』を入れ歌詞を見ながら聞いた