ーーー……ちゅんちゅん


鳥の囀りで起きるわたし。

[ん……もぅ朝なの?]


携帯を見ると時刻はまもなく9時15分。


「ーー…
ーーーーー…
ーーーーー…やっば!遅刻!」

わたしは都内の大学に通う大学一年生の

『井上星羅』

あ、ちなみにこれわたしの名前。


てゆーかこんなののんびり話してる時間は無い!
やっばい!早く学校行かないと


大学までの道のりを一生懸命走っていると
私の携帯が震え出した。


あー!もぅなによ!
急いでんのに!


最初は電話なんか無視していた。
だけどそれでもしつこく震える携帯をわたしは
出てしまった。

電話の相手は

『斎藤千里』

「もしもし?星羅?
ちょっと今どこいんの?」

「ハァ…ハ、だから今そっち向かってるってば」

「…だからって初めて聞いたんですけど。」

「え?あぁごめんごめん。
んでなに?ちょっと大学遅刻しそうだから早く用件済まして」

「あぁそうなの
ごめんごめん。早く用件だけ言うわ
あのさ今日の夜着いてきてほしいところあんだけど
一緒に行かない?」

「今日の夜?どこいくの?」

「まぁそれはその時の楽しみってことで」

「どうせ行かないって言っても無理矢理連れてく気なんでしょ?
だったら行くしかないぢゃん」

「まぁね♪
ぢゃあ大学終わるくらいにそっち行くわ」

「あーはいはい。ぢゃあちょっと切るね」

電話が終わるくらいに私は大学に着いた。


[はぁ…ギリギリセーフ。]

「ぢゃないよ」

「へっ?」

いきなり話かけてきたのは大学の友達。

『北條愛華』

あの北條グループの跡取り娘。

「たく、へっ?ぢゃないわよ
あたしが居なかったら完璧星羅欠席だったよ」

「愛華あ、ってことは愛華がかわりに返事してくれたってこと?」

「当たり前でしょっ。この前の借りの返し!」

「ありがとーう
ん?借り?」

「もう忘れたの?
ほらあの時の交差点で元カレに連れて行かされ
そうになったとき助けてくれたあの借り」