その瞬間に背中からゾクゾクと冷たいものが体中に広がり体が震えた。 怖い…そう思った。 目はフードで隠れていて見えないものの、自分を見ている事はわかった。 突き刺さるような、冷たい感覚が俺を貫いていたから。 だんだんと電車の音が近づいて来る。 母親は「見ちゃダメ!」と言って、俺に覆いかぶさるようにして抱き締めた。 でも俺は母親の肩に視界を遮られても視線を逸らす事はなかった。