顔の見えない隣り合わせ


窓際の席
俺から見える方には

一人、テーブルに突っ伏して
音楽を聞いている客が、一人いるだけ




「 … お久しぶり

勘がとても良い岡田クン?


お察しの通りアドリアナは
――― "影武者"なんかじゃないよ 」




涼しい声が 耳の横




「 また …な

――― 何か、起きてるのか…?! 」




「  一本、くれる?  」


俺は水谷の前に タバコとライターを置いた