アズの叫びに、皆一斉に振り向いて
何事かと手を止め、こっちにやって来た
『 …どうしたの? 』
「 すごいよ! これ淳が作った!! 」
「 俺が作ったんじゃねえって
… うちの農場、ビニールハウス 」
「 うおマジか?!
" 阿尾森 "って、書いてあんな 」
「 このパッケージの
甘くて美味しいから
俺も、見ると買ってるよ 」
「 そういやクウヤン、
トマト駄目じゃなかったっけ? 」
「 …うるせーなー
プチトマトは食えんだよ!! 」
皆ケラケラ笑いだし
その中で、一人 突然笑うのをやめて
玄関先へと歩き出す姿
「 …… アズルン? 」
「 ちょっと、スーパーまでお買い物!
すぐ戻って来るね! 」
「 アズルン駄目 僕が行くよ
買うもの教えて 」
一番先に、名乗りをあげた池上
玄関先まで二人で行き
何回か笑いながら、頷き合う
「 じゃあ行って来まあ〜す 」
お辞儀をするアズ
池上がノンビリと、靴を引っ掛ける
「 … 池上 オレも行くわ 」
真木が、カラになった煙草の箱を捨て
半開きになった扉を押して出て行った