テーブルの上で拡げられた
遠足の早朝みたいな騒ぎは
まるで
ブラウン管の中のホームドラマの様で
何となく胸の辺りが、くすぐったくなる
奥の蛇口の方では
サリサリと米を、軽く研ぐ音
池上はキュウリで
器用に飾り細工を作り出すし
ラップや万国旗の旗
おかずを入れる奴は何だっけ
名前知らないけど、ギザギザのホイルだ
アズはそれをいじりながら
盛大に、ボールの中の玉子をとく
――… もう、この時間がすでに
奴への"お祝い"なんだろうな
灰谷は、本当に嬉しそうに
それを見つめている ―――――
玉子焼き用の
四角いフライパンを火にかけ
俺の横の冷蔵庫を、覗き込むアズ
手に取ったプチトマトのパックを
なんとなく手を延ばして受け取った
「 ありがとう! 」
「 … いや
―――――… あれ 」
「 ? どうしたの? 」
もう一度、そのパッケージの裏を確認する
「 … や
このプチトマト、多分うちの農場の奴だ 」
「 ―… ええええええ?! 」