アズは
それが当然の事の様に
腰に回された両手に 体を預け
軽く持ち上げられて
うなだれた頭は、青山の黒いロンTの肩
横で見詰める、青山の静かな眼から
何か眩しい物を見た時みたいに
アズは視線を逸らした
「 …… あずる 」
低く呟く声は
アズの白い 耳の横
肩が奮え 小さく跳ねる
一瞬 その唇から漏れた
" はい "にならない、語尾が掠れた吐息は
とても小さかったけど
この部屋も含め、全員の耳に
……ヤバい甘さを含んで
聞こえていたと思う
「 …… 俺な
お前にしてやれなかった事を
ユカちゃん達に、していたんだと思う 」
アズが潤んだ瞳で
肩から顔を 持ち上げた