真木は、ポン と 青山の肩を叩く
「 空気読むとかいう以前の問題だ青山 」
「 ――― あずる 」
伏し目がちに青山は、椅子を引いて座り
煙草の箱を指で叩いて
一本、口の端にくわえた
―――… 聞こえているのかいないのか
アズは窓の方を向いたまま
座り込み、ゲームを弄ったままだ
頭を少し下げ
顔は髪に隠れているから
どんな表情をしているのかは判らない
…… しばらくして
ジッポの蓋が
カチリと鳴ったのが合図の様に
アズがへこたれた感じで、その場を立った
皆の、少し緊張した視線を連れたまま
青山の横へと ソロソロ歩いて行く
灰皿に置いた煙草から
窓からの風に、ゆるく煽られた煙
青山が笑う
「 …… 本気で怒ったの判ったのか? 」
「 ……… うん 」