「 じゃあ屋形船でも借りるか?
――― 花見っていうと、隅田川だな 」
「 でも開花具合どうなんだろうね
今年暖かいから、かなり早いけど 」
「 それと空いてるか、
もう少ししたら、俺が電話してみる 」
「 了解 」
その声は
やはり青山、池上
もう早速 花見に向けて、
行動を起こし始めているらしい
アズはこそこそと、正座で移動し
何故か部屋の、かなり隅へ
『 … アズ ゲームする? 』
トタトタと音を鳴らし
素足でアズの前へと座り込む灰谷
アズもコクリと頷き
差し出された、白い携帯ゲーム機を
黙って受け取る
お互いに向き合い、聞こえ始めた電子音
『 … アズ どこから始まった? 』
「 " もしもの丘 " 」
『 俺もそっち向かうから待ってて 』
「 うん トオヤは、今どこ? 」
―――… やっぱり
この二人も 仲いいんだな