「 … 意地悪いな お前 」


『 … そう?
それにユカにも夢があるし
力になってくれる友達がいる

数回会っただけの俺が
指図する権利なんかひとつもないし

大学で様々な人達に会って
あいつの世界は拡がって行く ―――


自分で道は、決めて欲しいし
俺、枷にはなりたくないんだ 』



―――… 灰谷が
ユカちゃんを大切に思ってる気持ちには
嘘偽りないんだと思う


俺なんかより、余程かんがえてる




会話がとまった時
玄関のドアが、勢いよく開く音 ――――