祈る様に、胸へ手を置き
眼を閉じる灰谷


窓からの風で カーテンが揺れる ―――




… その一瞬だけでも、アズは 灰谷の物で


"偽"だと判っていても
その声に微笑み、駆け出したアズ ――――


当時の混沌

そして二人の心情を考えると
…… こっちの胸まで痛くなる


ノドが詰まり
手元にあるコーヒーを取った




途端に、空気だけを吸い込む空の音


氷が ザラリと鳴る




「 うあ 
ごめん灰谷! 間違え …――――― 」