「 …別に睨んじゃいないよ 」
エレベーター
降下して行くランプ
それを凝視していた視線を緩め
次に灰谷は、俺を見た
「 観光しに来たのか? アドリアナ 」
「 Yes!
ここに来る時、トーキョー駅と
カンチョーとか言うのは
車の中から見て来たわ!
… そうだ!
これ預けるわ ジュン
好きに使っていいから、
私を楽しませてちょうだい! 」
アドリアナがバックから出したものは
キラキラと光る、ゴールドカード
「 …知ってはいるけど
初めて見たな ここの 」
そう言った瞬間
アドリアナの瞳が、誇らしげに笑う
そして俺は、言葉を続けた
「 ―― でもさ これ
お前が稼いだ物じゃ、ないよな 」