聴診器を耳にかけた
梅川さんの後を追って
俺も何やら騒がしい
薬品棚とベットのある、
小さな部屋へと入る
「 アズル! ちょっと待て!
血が逆流するっつってんだろ! 」
―― 前にここへ来た時
アズが少し暴れた事を思い出して焦る
だけど
ベットの上に起き上がったアズは
針を刺した方の手を挙げ
下げてある点滴を外そうとしていて
少し顔色が白いけど
その動きは自然で、かなりアクティブ
「 あずるちゃん、どうした?
点滴漏れて痛いか? 」
「 ちっ 違うの!
そ… そっちが漏れそうじゃなくて
トイレ行きたいー! 」
「 おお ちょっと待ってね!
そのガートル、かなり古くて
今、車輪ついてる奴に… 」
キョロキョロと
部屋を見回す梅川さん
その横で真木が
吊り下げていた部分を
金具からひょいと取り
アズの左側に回った
「 先生
オレが高く挙げて持ってくよ 」
「 わかった 」