「 ――… 真木 どうだった 」
「 どうもこうもねえよ
" そんな事するわけない "って
相当、動揺してた
ユカちゃんの事も言ったらよ
青山、自分の事にはニブいから
想定してなくて困ってたけど
――― 半面、大喜びだな あれは 」
「 …… 青山、何さしてる…? 」
「 仕事だよ仕事!
新しい事務所のメンツとの
親睦会かねたパーティーだったから
踏ん反り返ってるのだけが
ミュージシャンじゃねえからな
プロなら、中の一人だけでもそうやって
上の人間と絡むヤツがいねえと
幾ら音楽性が良くたって
活かせず、淘汰されちまう
灰谷は若干、まだガキだから
その点ニガテだけど
あそこは赤池さんも緑川さんも
かなりの苦労人だし
絶妙のバランス、取ってると思うぞ
――― 池上と青山は
もう、車でこっちに向かってる 」
「 ――… 一件、落着か… 」
真木が吹き出した
「 なんだそりゃ
――― タダの痴話喧嘩だ痴話喧嘩!! 」