何回か返答しながら
「ええっ?!」とアズが突然
大きな声を出したから、驚いた



…どうも聞いていると
何か、マンガらしき物の新刊が
つい最近出たらしく
かなりワクワクした表情で
それについて、話している




「 うん わかった!
そこまで行くね 」と笑い
アズは、携帯を切った


腕を延ばし、玄関を開ける


「 ありがとう 」




――― 入って来た風は

やはり梅川さんの言う通り冷たい





「 アズ、こっち歩け 」


近付くと、玄関先に
いきなりランプが点灯するような
かなり豪奢で、静かな住宅街を
道案内するアズと一緒に進む




微かに引きずる
サンダルが擦れる音




「 ―― そういや真木って
少女マンガも読むのか?! 」


「 読むよー!
今日話してたのはねー
週刊ぽぷりのマンガ 」


「 あー…
なんか、"リラ"と"ヒロト"とか
出て来る奴ね 」


「 淳も知ってる?! 」


「 知ってるも何も
アニメ化したり、ドラマ化してる方は
俺も何回か見たすけ 」


「 それの最終刊が出たの!
… 色々あったけど、二人が最後に
ハッピーエンドで終わってよかった 」


「 そうなのか
…… 俺はあの手の絵、見づらくてダメだな
線細くて、よく判らない 」


「 あは
淳は、アメコミ好きだもんね 」

「 うん  それにさ 」


「 うん 」