気付けば目の前には、例の紙袋


アズの頭より一つ、高い位置にある




手を延ばしかけて


―――… やっぱり、 やめた




自分の頭を
何度か軽く、パンパン叩いて
まくっていた袖を戻し
アズの居る部屋に戻った




俺の姿を迎える瞳
ちょっとニヤッとしながら
手の平を拡げ、アズの顔へ


アズは笑いながら目をつむり
自ら頭を、少し反らす




前にかかっていた髪が
サラリと、背の後ろに流れ
あらわになった白い額に
手の平を押し付けた




「 … 気持ちいいか? 」


「 うん ――― つめたい 」


すぐに手の平へ
アズの熱が移り、温かくなってしまう


「  …今度は逆な  」