――― 真木に連絡しよう


俺は急いで、自分の携帯を出した




「 … 淳 」


それをアズは手で止め
ゆるく首を、横に振る


「 … 何でよ 」


「 ―― 前に
RELIEFやってた時、同じ事あったの

だから、平気

クウヤ…最近、ずっと忙しかった
だから、心配かけたくない…


梅川先生のとこ近いし、自分で行けるよ 」




「 … 車あんだろ
キー貸せ 俺が連れていく 」




アズは布団に、握ったままの両手を突いて


少し深い呼吸を繰り返した後
黙ってコクリと頷いた




――― アズが、人を頼った


簡単に頷いた事で
かなり事態は緊急を要する事だと
自分の中で、再認識する




「 … 私まだ
全部、思い出せてないみたいなの 」


「 ――…ムリして喋んなよ  な? 」




…ことさら柔らかく答えて
布団の端にヒザを寄せてアズの体を抱く