「 …平気 自分でやる 」


「  アホ
――― 食い終わったやつ
トレーどっか、端寄せとけ 」




押し入れがあったから
そこをガラリと開ける


上部には
よく干された感じの布団が、何組かあり
それを一揃い引き下ろして
アズの横へと拡げた




「  寝ろよ

――― 熱冷ましとか、風邪薬あるか?
あと、寝巻と 」


「 …… うん
でも少し落ち着いたら、病院行ってみる
だから… 服、このままでいい 」




「 な…!!!
――― そんなに具合悪いのか? 」




俺はアズの傍に駆け寄り
しゃがんで視線をあわせる


「 …… 平気
さっき、歩道橋で

――― 忘れてた事思い出したから
それで 」




「 ――… 記憶… か…? 」


「 うん…

――― 桜が咲き始めてから
少し、おかしいの… 」