「 ―― あ お湯少なめでいい 」


「  はい 」


「 …やっぱり予想通り

見事に物がないな、お前の部屋 」


「 予想?!

でも、仕事部屋になってるフロアは
かなり物あるよ?

一時期、カイヘーの巣になってたから 」


「 …巣 」


「 うん! 面白グッズとか 」




――― 優しい風の入る
広い庭が見える一階


敷居のあまりない
メイプル色の板張りが続く
オープンエリアバルコニー


壁際には、横長で背の低いチェスト
小さな丸テーブルとクッション


オーディオ機器と、
壁貼り型のテレビが一台あって
映っているのは、サンデー洋画劇場


カーアクションモノで
かなり何回も放送している古めの奴




天井には丸形の照明があるけど

この部屋を、
海の中みたいに青く照らしている
かなりデカい水槽の光で、充分な感じだ




… 本当は雰囲気的に

玄関の前で帰る感じになってたんだけど


『 前、画像にあった
クラゲの水槽が見たいな ――― 』


そう興味ありそうに笑って言って、
まんまと中まで通させた




「 ―― そろそろいいのかな…
淳、おはし これ使ってね? 」